屋久島町宮之浦の「益救(やく)神社」と「久本寺(くほんじ)」で7月15日、伝統行事「六月灯(ろくがつどう)」が行われた。
旧暦の6月ごろ、旧薩摩藩領の寺社で行われる同祭り。屋久島では、薩摩藩の代官所が置かれていた宮之浦地区でのみ行われている。
思い思いに絵や字を書き入れた灯籠は、氏子や檀家(だんか)が奉納。益救神社の鳥居には、地元出身の書道家、馬場貴海賀(きみか)さんが世界各国の言葉で「ありがとう」と書いた大作が掲げられ、久本寺の門前は地元作家「焚(たきび)キャンドル」のろうそくで飾られた。
今年初の試みとして、宮之浦青年団が「灯籠作り体験」を企画。益救神社の境内にブースを設け、その場で手作りした灯籠を祭りに飾れるようにした。当日は、観光客や地元の親子連れが参加。自分が作った灯籠は、祭りの後に持ち帰った。
宮之浦青年団長の竹之内徹さんは「自分たちが子どもの頃に比べると、ずいぶん灯籠が少なくなった。みんなで知恵を絞って宮之浦の町を盛り上げていきたい」と意気込む。