NPO法人「やくしま未来工房」が宣教師「シドッティ」の上陸地に展望タワーを建設し、シドッティの復顔像を作成した国立科学博物館人類研究部の坂上和弘博士が5月19日、屋久島環境文化村センター(屋久島町宮之浦)で講演を行う。
屋久島在住の作家で、シドッティの研究者でもある古居智子さんが理事長を務める同NPOが昨年夏、「屋久島シドッティ記念館」の建設予定地を整備した。その際、敷地の一角からシドッティが上陸した入り江が見え、タワーの建設を決め、4月27日に完成した。
夕暮れには夕日が落ちる美しい風景が望める。古居さんは「より多くの人にシドッティのことを知ってもらうため、一般公開している。新しい屋久島の観光スポットとして、住民だけでなく観光で訪れる人にも屋久島の里の魅力を紹介できる場所にしたい」と意気込む。
設計は屋久島在住の建築家、ブラワーさんが手がけた。素材は節がなく、真っすぐな霧島の杉材を使う。ブラワーさんは「単なる展望台ではなく、興味を引くデザインにしたかった。より良い展望が可能な高さで、自然の風景に溶け込むデザインを考えた。円形らせん状の階段は強度もあり、使う人も楽しく、見た目も心地いい。これまで屋内で同じ形態の階段をたくさん作ってきたが、野外の風景と調和した美しさに驚いている」と話す。
講演会は13時~。後半は古居さんと坂上さんが対談を行う。