米作りを通してオンラインで交流する「お米サミット」が2月16日、宮浦小学校(屋久島町宮之浦)、神山小学校(原)、八幡小学校(平内)の3校で開かれた。
鶏ふんを足でかき混ぜて土作りしたと報告する宮浦小学校の3年生
米作りを体験し、学んだことを他校の児童に発表し交流することにより、学習内容をまとめる力や相手に伝える力を育成することが目的。各校が2023年度の活動内容を10分程度にまとめて発表。学校間で質疑応答した。八幡小学校がホストとなり、他の2校をネットワークで結んだ。
2021年の末に、屋久島町歴史民俗資料館(宮之浦)職員の黒飛淳さんが大量の種もみを入手したことが始まり。これを使って稲作を行い、学校教育に役立ててほしいと町内の小学校に持ちかけたところ、3校が賛同。使われていない花壇などを利用して米作りを始めた。
2022年度は学校によって米の出来が大きく異なったので、第1回の「お米サミット」を開いて情報交換を行った。その後、各校で改善策を検討し、その工夫や成果を今回のサミットで発表することになった。参加したのは、宮浦小学校の3年生32人、神山小学校の5年生18人、八幡小学校の5、6年生20人とオブザーバーの3、4年生16人。八幡小学校6年生担任の安藤千奈(ゆきな)さんが進行役を務めた。
畳3枚ほどの場所で育てた宮浦小学校は、今回は鶏ふんを入れて足で混ぜるなど土作りに努力し、204グラムのおいしい米ができたという。生徒の一人は「店で売っているものが、こんなに長時間かけてできることが分かった」と感想を述べた。神山小学校は、保護者のボランティアが「お米隊」を結成。水谷聡秀さんらが生徒に稲作の指導をし、夏場の水枯れを防ぐために水道管を設置するなど努力をした結果、畳半分ほどの小さな場所ながら150グラムを収穫した。調理実習では少し焦げたがおいしいご飯が炊けたという。
八幡小学校は、2年目の出来が1年目より悪かった。高温障害や1年目にはなかったスズメの害などが考えられたため、育苗ネットを張るなどの対策を取り、2キロの収穫があった。他校から「どうして米作りを始めたのか」との質問に「黒飛さんが種もみを持ってきてくれたから」と正直に答えると、ネットの向こうから「僕たちと同じですね」と低学年のかわいい声が聞こえ、教室は大きな笑いに包まれた。
最後に、安藤さんが「どの学校も写真をたくさん入れてくれて分かりやすい発表だった。ありがとう」と感想を述べた。黒飛さんも「発表がとても面白かった。苦労して作って食べておいしかったよね。来年はもっと頑張って」と締めくくった。終了後に宮浦小学校の3年生担任は「他校の5、6年生の発表は参考になった」と話していた。