地域住民参加のオネダ(おのあいだ)文化祭が1月27日、尾之間管理センター(屋久島町尾之間)で開かれた。
「アフリリ」を披露する「フラ恋ハウス」の小学生たちと飛び入りの1人
人口700人ほどの尾之間地区で、地域住民の交流の場にと2009(平成21)年に始まった文化祭。当初は住民の絵画や陶器などの作品を持ち寄る程度の小規模な展示会だった。今回はこれまで温めていた企画を一挙に取り入れ、10時から21時まで全日にわたるイベントとなった。
幕開けは、神山小学校の2年~6年生12人による「神山せんだん太鼓」。楽しい雰囲気の「光照道(ひかりてらすみち)」とバチを剣のように動かす「剣」の2曲を披露した。「せんだん太鼓」は20年前に神山小学校のセンダンの巨木を伐採した時に、当時PTA会長だった大工の楯篤雄さんが、地元画家の黒飛淳さんらと共に丸太をくりぬいて製作したという。今回はそのうち小ぶりの2台を会場に持ち込み、他の太鼓と共に演奏した。
次に、地元のフラダンス教室「フラ恋ハウス」の小学生11人が、モッチョム岳が間近に迫る会場で、ハワイのアフリリ山をテーマにしたフラダンスを披露した。午前中最後のイベントは餅つき大会。楯さんらが用意した丸太の臼ときねを使い、「よいしょ」の掛け声に合わせて会場の住人も参加して餅をついた。つきあがった餅は丸くこね、ぜんざいにして全員に振る舞われた。
午後は「温故知新プロジェクト-よみがえる故郷オネダマップ作り」と称して、屋内に用意した巨大な紙を囲み、集まった住人が記憶をたどりながらそれぞれの思い出を描き込んでいった。指導した黒飛さんは開催案内で「麗しきわが故郷尾之間。たとえ幾年瀬過ぎ去りしとも、瞳閉じれば浮かび上がるは懐かしき風景。あの日あの時、共に笑い合った顔と顔」と口上する。
17時からは「おじゃんせ(ようこそ)演芸大会」。ギターの弾き語りのほか、ドラム、民謡、ゴスペル、オカリナ、三線、笛などバラエティーに富んだ9組の演奏が行われ、尾之間の長い一日を締めくくった。