屋久島の世界自然遺産登録30年を記念したシンポジウム「山極壽一と語る 屋久島のこれから」(鹿児島放送主催、朝日新聞社共催、イオン環境財団特別協賛)が10月12日、「屋久島環境文化村センター」(屋久島町宮之浦)の大型映像ホールで開催された。
1960年代から島の自然保護運動に取り組んできた屋久島を守る会初代代表の兵頭昌明さん(右)
シンポジウムでは、ナビゲーターを務めた京都大学前総長で総合地球環境学研究所所長の山極壽一さんが、屋久島の世界自然遺産登録当時をよく知る屋久島環境文化財団理事長の小野寺浩さん、1960(昭和35)年代から島の自然保護運動に取り組んできた屋久島を守る会初代代表の兵頭昌明さん、イオン環境財団専務理事の山本百合子さんの3人それぞれと対談した。
ゴリラの研究者として知られる山極さんだが、研究者人生の出発はニホンザル。中でもヤクシマザルの研究のために、1975(昭和50)年から屋久島へ通った。何度も長期滞在する中で、屋久島を守る会の島民たちと知り合い、共に環境問題にも取り組んできた。
当日は150人ほどが来場。質疑応答で、屋久島高校2年生の鹿島暖祈さんが「島の若者から自然について意見が出てくることが少ない」と話すと、山極さんは「『川で遊ぶことが好き』といった気持ちをとことん掘り下げ、深く考え、過去と比較し、その考えを他者と話し合うことで未来に結ぶことができる」と答えた。
シンポジウムの内容は、11月19日に鹿児島放送が特別番組として放送するほか、12月には、鹿児島放送のアプリ「KAPLI」やユーチューブでも配信を予定している。