屋久島を拠点とする広域通信制高校「屋久島おおぞら高等学校」(屋久島町平内)と小瀬田小学校(小瀬田)が7月24日、ツマベニチョウの交換会を行った。
ツマベニチョウは、モンシロチョウやキチョウに代表されるシロチョウでは世界最大で、白い羽根の先端が鮮やかなオレンジ色をしていることからその名前が付いた。
同小学校では、2017(平成29)年から「ツマベニチョウの里づくり」事業として、校舎裏側の潮風が直接当たらない場所に建てた蝶(チョウ)ハウスでツマベニチョウを飼育している。農業用ビニールハウスの枠組みをネットで囲んだハウスには、ハイビスカスやツマベニチョウの食草となるギョボクなど、計250本の樹木を植えている。ツマベニチョウはギョボクの葉に卵を産み、幼虫は葉を食べて成長する。
同高校では3年前から、学校農園「センバスビレッジ」の職員でチョウの生態に詳しい竹本大輔さんが中心となってギョボクを育て、ツマベニチョウを繁殖させてきた。昨年8月には蝶ハウス「Tefu Tefu(てふてふ)」をオープン。ハウス内でも飼育を始め、同校のスクーリングで活用している。
今回の交換会は、それぞれの蝶ハウスで育ったツマベニチョウを持ち寄り交換することで、ハウス内の近親交配を緩和する。茂木健一郎校長をはじめとする同高校とセンバスビレッジのスタッフが、早朝に「Tefu Tefu」で採取したツマベニチョウ5頭を持って同小学校を訪れた。学校や地区内の呼びかけで集まった児童や保護者らも参加。蝶ハウスで捕獲したツマベニチョウと交換した。
交換会の後には、茂木校長が児童に向けての講話を行った。小学生時代からチョウの研究をしていた茂木校長は、「Tefu Tefu」のオープン時には自ら捕虫網を持って竹本さんと一緒にチョウを捕獲したという。屋久島へ来るたびにセンバスビレッジを訪れ、チョウを見学していると話し、参加した児童たちにも自然観察を勧めた。