屋久島町が10月22日、不用品の回収と譲渡を同日に行う実証実験を安房体育館(屋久島町安房)で行った。
島内で発生する粗大ごみは、クリーンサポートセンター(宮之浦)に集積され、島内で処分できない物や再利用可能な物は、委託業者が島外に搬出し、一部はリユース(再利用)品として販売する。
リユース・リサイクル事業を手がける「ecommit(エコミット)」(薩摩川内市)が2020年、屋久島の廃棄物処理を担当してきた丸山喜之助商店と、3R(リデュース、リユース、リサイクル)を専門とする京都大学の浅利美鈴研究室と連携し、屋久島での物の循環とごみの減量化を促進するプロジェクト「Sustainable Island Project(サスティナブル アイランド プロジェクト) in屋久島」を始めた。その一環として昨年度、島内の3地域(尾之間、一湊・永田、宮之浦)で島民が不用品を持ち込み、島外で再利用する実証実験が行われた。運搬のコストとCO2排出量を削減するために、従来の島外への運搬の際の空きスペースを有効に利用する。
今回の回収・譲渡会は、島外への運搬量を減らし、島民が気軽にリユース品を利用できるように、不用品の持ち込みと引き取りを同日に行うもの。会場には、9時から島民が不用品を持ち込み始め、譲渡会が始まる正午までには100人以上が訪れた。持ち込まれた物は町職員とecommit社員が体育館入り口のスペースに、食器、衣類、ベビー用品などと分類しながら並べた。譲渡開始前には、屋久島では珍しい待ち行列も見られた。
町では持ち込み可能な物品の基準をあらかじめ公開しており、一部の例外を除いて持ち込まれた不用品はecommit本社に運搬され、リユース品として国内外で販売される。