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屋久島の水圏生物調査プロジェクト 地域住民と共に生物多様性について考える

「水辺の生物多様性講座&プロジェクト説明会」の様子

「水辺の生物多様性講座&プロジェクト説明会」の様子

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 屋久島のNPO法人「HUB&LABO Yakushima」が7月20日、春牧交流館(屋久島町安房)で「水辺の生物多様性講座&プロジェクト説明会」を開催した。

一湊川で調査の下見を行った

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 この日講師として招いたのは、鹿児島県姶良市で「くすの木自然館」を営み、干潟の研究や環境保全活動を行う浜本麦さん。屋久島を代表する魚・トビウオの一生を例に、藻や海藻、ワレカラ(海洋に生息する小型の甲殻類)、オキアミなどのプランクトンの必要性や生物多様性について子どもにも分かるようにとスライドを用いて説明。未就学児から60代まで、約30人が参加した。

 浜本さんが「海藻は水から栄養を吸収するため、水中に栄養がないと生きていけない。川の回りの木々の葉が微生物によって分解され土になり、土を通って栄養を含んだ雨水が集まって川になる。川が海に流れ、藻場や海藻に栄養を与える。それぞれの場所に生き物がいて、全部の生き物がつながっている。それぞれが生きていける環境を残してくことが大切。森や海だけでなく、全てを考えることが生物多様性につながる」と話すと、参加者たちは真剣に耳を傾けていた。

 今後は、夏・秋・冬の3回、8月25日から27日、10月21日から23日、12月15日から17日にそれぞれの生物調査及び収集データ整理を行う。1月22日は調査内容の報告会と水辺の生き物観察会を開催予定。調査地は一湊川とイテゴ川の2河川で、上流、中流、下流、河口(干潟、磯)で水温、川底の状態、流速、川幅と断面図、生き物探しの5項目を調査する。また、地元の漁師に協力してもらい、漁の水あげ写真を収集。海域についても調査する。

 今回の下見では川が雨で増水しており、短時間の調査ではあったが、イソガニ、ハゼ、カワエビ(テナガエビやスジエビなど)、ヤゴ、サワガニ、ゴカイなど各調査地点でさまざまな生き物が見つかった。NPO法人「HUB&LABO Yakushima」の代表・福元豪士さんは「山岳部だけでなく、全国有数の豊かな海水魚相も屋久島の魅力の1つ。島の多様な生物の生息環境を水域全体から把握すること、生物多様性の重要性を示すデータの収集はもちろん、調査を自分たちでできる人材を育成することが当プロジェクトの目的。地域が一体となって水圏生物の多様性保全を行っていきたい」と話す。

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