屋久島町図書室にオンラインシステムが導入され、機能の一部が5月20日から利用可能になった。
屋久島町には、北部に宮之浦図書室(蔵書数約3万2000冊)が、南部に尾之間図書室(蔵書数約2万7000冊)があり、巡回図書車「しゃくなげ号」が小学校などいくつかのステーションを定期的に回っている。従来、図書カードは手書きで、蔵書検索は職員の記憶に頼る状態だったが、4月からオンラインシステムの導入を進め、インターネットでの蔵書検索ができるようになった。バーコード付き利用者カードや借りた図書が記帳される「読書通帳」も同時に導入した。
蔵書検索は、図書室のホームページから行う。書名による検索はもちろん、一般的な図書館の検索機能が一通りそろい、両図書室と「しゃくなげ号」には専用端末も設置している。役場でオンラインシステム化を担当する社会教育課の岩川賢司さんは「現在、約1万2000冊分のデータが入力済みで、年度内の入力完了を目指している」と話す。「今夏には蔵書の貸し出し予約が可能になり、秋頃には鹿児島県立図書館などの蔵書も貸し出し予約ができる見込み」とも。
バーコードを使うことによって、貸し出し・返却業務にかかる時間が短縮できる。これらの業務は昼休みに集中する傾向にあり、利用者が多いと昼休み中に完了しないこともあった。特に、「しゃくなげ号」が立ち寄る小学校では、給食後の児童が利用するため、午後の授業までに作業を済ませることが求められてきたことから、バーコードの利用に期待がかかる。
銀行通帳をモチーフにした「読書通帳」は、専用の装置に通すだけで貸し出し中の図書名や著者名が印字される。書籍の価格も印字されるので、図書室の利用によって得られる利益が具体的に確認できるほか、読書の目標設定にも貢献できるという。
町では、小中学校の図書室のシステム化も同時に進めている。岩川さんは「これを機に新しいユーザが図書室を利用してくれるようになれば」と期待する。
屋久島町図書室の開室時間は10時~18時。月曜休館。利用者登録や読書手帳の発行は無料。再発行は有料になる。