屋久島空港近くの長峰生活館(屋久島町小瀬田)で秋分の日の9月23日、恒例の「おたのしみ掘り出し市」が開催された。
生活館前庭に設けられた20軒ほどの屋台に、地元で採れた野菜や果物、手作りの伝統餅菓子や洋菓子、鉢植え、衣類やおもちゃの中古品などが並ぶ。長峰地区の住民だけでなく、事前登録すれば誰でも出店できる。屋内では青年団による伝統楽器のライブ演奏も行う。
販売開始は30分前から多くの屋台に人だかりができていたため5分前倒しで行った。客は近辺の住民が大多数だが、一湊地区や尾之間地区など遠方からの客や、空港に向かう途中に立ち寄った観光客の姿もあった。
掘り出し市は秋分の日に行われていた長峰神社の大祭に合わせ、1991(平成3)年に始まった。当時の広告には大小の電気製品やさまざまな生活雑貨が掲載され、生活用品を購入する希少な機会だったことが分かる。祭事との同日開催が難しくなったため、今では祭事を前日に行っている。
第1回から出店してきた無農薬野菜栽培農家の楠忠久さんは「食は命。年1回だけだが、地元で収穫される安心安全な農産物を味わってほしい」と話す。「高齢化で農家の出店者が減っているが、皆さんが楽しみにしているので、元気な間は出店を続けたい」とも。