屋久島町小瀬田にあるアートギャラリー「gallery TABIRA」(屋久島町小瀬田、TEL 0997-43-5956)で現在、画家・高田裕子さんの絵画展「水の森」が開催されている。
福井県出身の高田さんは2001年に画家としての活動を始め、2009年屋久島へ移住。屋久杉やヤクスギランド、白谷雲水峡のコケの森をモチーフとした絵画を制作している。「以前は自分の想像の世界を形にしており、創作に苦労することが多かった」と振り返る高田さん。現在は「描きたい」と思うモチーフがすぐ近くにあり、「身を削って描く、というより描くためのエネルギーをもらいながら創作できている」と話す。
屋久島で初となる個展が開かれた今回。新作8点と2015年に出版された絵本「水の森」の原画が展示されている。「屋久島の方々がこんなにもたくさん応援してくださっていたのか」と驚いたという高田さん。飲食店やスーパー、銀行など、島内の至るところで個展のチラシやポスターを見ることができる。
これまでに東京や大阪でも個展を開いている高田さん。都市部と屋久島での反応の違いを感じ、「東京や大阪では『こんな森が本当にあるのか』と驚かれ、屋久島では『ここは、あの森だよね』と共感してもらえる」と話す。高田さんにとって、都市部での個展は「屋久島のエネルギーを届ける場所」、屋久島では「エネルギーを共有する場所」だという。
「自然のように遠くから全体を見ても、近くから細部を見ても美しいものを目指している。どんなことも心に余裕がないと細かい部分まで見ることはできない。絵を見る時間が、立ち止まって自分自身を見つめる時間になれば」とも。
開催時間は11時~17時30分。入場無料。8月31日まで。