屋久島環境文化村センター（屋久島町宮之浦、0997-42-2900）で11月1日から「よみがえる江戸の宣教師（ばてれん）」屋久島巡回展が開催される。

上陸記念碑横の海辺

　東京都文京区にある都指定旧跡「切支丹（キリシタン）屋敷跡」から2014年に発見されたイタリア人宣教師・シドッティ神父の復顔像や遺骨のレプリカ、発掘の様子などを展示する同展。昨年11月12日～12月4日に東京・国立科学博物館で開催されていた巡回展となる。

　キリシタン禁教令が敷かれる最後の江戸時代の日本へ上陸した宣教師、ジョヴァンニ・バッティスタ・シドッティ神父は、1708年10月に屋久島へ上陸した。和服に帯刀姿だったというが、その後すぐに捕らえられ、長崎経由で江戸へ護送された。切支丹屋敷では、新井白石による尋問を受け、その対話から「西洋紀聞」が書かれたことが知られている。

　シドッティ神父上陸の地とされる屋久島の小島集落には、カトリック屋久島教会や上陸記念碑があり、毎年11月23日には「シドッチ神父上陸記念祭」を行うなど住民に親しまれている。

　会期中の11月24日には「密行 最後の伴天連シドッティ」の著者・古居智子さんによる講演会「300年の眠りを越えて『シドッティ神父、その生涯と屋久島』」を開く。古居さんは「2010年に出した『密行 最後の伴天連シドッティ』が10月にイタリアで出版され、イタリア各地で講演が決まった。記念祭に合わせて行う講演会では、イタリアでの活動報告もする予定。楽しみにしてほしい」と話す。

　開館時間は9時～17時。第3火曜休館。入館無料。12月10日まで。