岩切さんとご家族
屋久島の尾之間出身で、高校から鹿児島市内へ進学しました。看護の専門学校に通い、そのまま市内で就職、結婚しました。ずっと鹿児島市内に住んでいましたが、屋久島に一人残していた母と暮らすため、2015年屋久島へ戻ってきました。
患者さんの自宅に行き、看護サービスをする訪問看護の仕事です。患者さんの体の状態観察、リハビリ、生活支援・指導や服薬管理を行っています。これまで屋久島町内に訪問看護ステーションが無かったので、今まで家で過ごしていた患者さんは大変だったろうなと思います。開業して1年経っていませんが、「来てくれて助かる、ありがたい」といった声に励まされ、幸せを感じています。
出身地ですが、正直なところそこまで好きではなく、この年で帰ってくることになるとは夢にも思っていませんでした。ただ実際に戻ってきて、鹿児島市内とは違った人とのつながりや自然の豊かさなど、屋久島の素晴らしさに改めて気付かされました。最初は何もなくて不便だと思っていましたが、慣れてくると物がないことの良さもあるのかなと感じたりしています。
休みは4、5日まとめてもらい、鹿児島市内に住む娘や孫に会いに行ってリフレッシュしています。孫は4人、5歳と3歳、1歳です。年に1回か2回、孫たちが屋久島へ来てドライブしたり、海に行ったりしています。孫が大きくなったら、一緒に山へ登りたいですね。コケはこんなにもきれいなのか、と白谷雲水峡に登って初めて思ったので、孫にきれいなコケをぜひ見せてあげたいです。
まずは事業の存続が一番ですが、屋久島には介護サービスがまだまだ足りていないと感じています。事業拡大と共にサービスを充実させ、自宅で最期まで生活したいという人をサポートしていきたいです。開業してからすでに3人の方をみとったが、ご家族からも「お願いして良かった」という声をもらいました。どうしても離島だと最期を自宅で迎えるということが難しいですが、屋久島で生まれ育った人が安心して最期を迎えられる環境を提供できれば。
MBCラジオ「やくしまじかん」の放送は毎週土曜13時30分~13時50分。