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屋久島の写真絵本「アザハタ王と海底城」 不思議な魚の生態伝える

「アザハタ王と海底城」(アリス館)の主人公アザハタ(©Itaru Takaku)

「アザハタ王と海底城」(アリス館)の主人公アザハタ(©Itaru Takaku)

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 屋久島在住の写真家、高久至さんの写真絵本「アザハタ王と海底城」(アリス館)が6月4日、発刊された。

絵本の帯には写真家と親交のある荒俣宏さんが登場

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 同書は屋久島の北、一湊湾の中に暮らす魚、アザハタの生態を追った絵本。スズキ目ハタ科のアザハタは生息範囲が狭く、サンゴ礁や岩礁をすみかに、多くの小魚と暮らしている。

 高久さんは、一湊湾に沈んだ飛行機を魚礁として集まる魚を観察しているうちに、台風の後に砂に埋まった機体を、アザハタのオスが懸命に掘り起こす様子を確認。魚礁の手入れをし、小魚を捕食する中型の魚を追い払うことで、生態系を保っていることを知った。

 「一見、無表情にも思える魚の世界に、こんなに豊かな背景があることを、たくさんの人に知ってもらいたい」と、長年、出版の企画を温めてきた高久さん。2017年に発刊した自身初めての写真絵本「海のぷかぷか」と同じ出版社で製作した。文章は前作と同じ、かんちくたかこさんが担当。コミカルでドキュメンタリータッチの作品となっている。

 9年かけて撮りためた1万点を超える写真から300点余りを選び出し、さらにその中から70点ほどを厳選して掲載した。アザハタだけでなく、同じ魚礁に集まるエビやウミウシ、ギンポなども紹介し、屋久島の海の多様な命を感じさせる1冊に仕上げた。

 価格は1,512円。

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