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屋久島でウナギ学の出前授業 身近な海の生き物の生態、小中学生が学ぶ

屋久島で採取されたウナギを観察する子どもたち

屋久島で採取されたウナギを観察する子どもたち

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 日本のウナギの食文化継承とウナギ資源の保全を目的とした一般財団法人「鰻(うなぎ)の食文化と鰻資源を守る会」(東京都港区)が、11月30日、屋久島の子どもたちに向けた出前授業を行った。

金魚が海水で生きられない理由をクイズ形式で授業する金子豊二名誉教授

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 教壇に立ったのは、東京大学大学院農学生命科学研究科の金子豊二名誉教授と黒木真理准教授、東京大学大学院水産資源学研究室の熊井勇介さんの3人。午前中は北部の一湊小学校の児童、午後は東部の中央中学校2年生を対象に行った。

 中学校では、金子教授が「海の魚と川の魚の不思議」と題し、塩分を排出する魚の能力について授業。黒木准教授は「ウナギの産卵場と資源」と題し、小学4年生の「国語教科書」(光村図書)に掲載されている「ウナギのなぞを追って」の著者、塚本勝巳教授(東京大学名誉教授)と共に学術研究船「白鳳丸」に乗り組んでウナギの産卵場の調査をした経験や、ウナギの生態などについて話した。屋久島と種子島をフィールドに、屋久島に住み込んで調査を続ける熊井さんは「屋久島と種子島のウナギについてもっと知ろう」というテーマで、現在分かっている調査結果を報告。「『人間の行動は自然に悪影響を及ぼし得る』」ということを、頭の片隅に覚えておいてほしい」と締めくくった。

 中央中学校2年生の川崎主税さんは「遠い存在だと思っていた東京大学の先生たちが、こんな身近で研究していたことに驚いた」と話した。

 同財団では、今後もこうした「ウナギ学」の出前授業を希望する学校を募集する。

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