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屋久島で高齢者が石臼ひきに挑戦 香ばしい粗びききな粉に舌鼓

ひきたてのきな粉を味わう様子

ひきたてのきな粉を味わう様子

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 屋久島西部の栗生地区でデイサービスを利用する高齢者9人が6月22日、平内民具倉庫(屋久島町平内)で石臼ひきに挑戦した。

石臼ひきに挑戦するが重くて回らない

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 石臼ひきに挑戦したのは、「ゆっくりかん」(屋久島町栗生)でミニ・デイサービス「ほほ笑み」を利用する90歳代中心の女性ら。西部に位置する湯泊、栗生、中間の3地区から1文字ずつ取り「ゆっくりかん(湯栗間)」と名付けられた同施設は廃校になった中学校校舎をボランティアの協力で改築したもので、NPO法人「サポート&ケア屋久島」が運営する。2003(平成15)年、当時の栗生診療所で医師を務めていた藤村憲治さんが、西部地区から施設まで20キロ以上の距離を通う高齢者のために立ち上げた。

 島民が寄贈したしょいこや石臼などの古い民具を収蔵する平内民具倉庫(平内)は、従来から高齢者グループの見学を歓迎してきた。収蔵品の中には使い方が分からないものもあり、実際に使ったり使うのを見たりしたことがある高齢者は貴重な語り部で、この日も石臼にまつわるさまざまな知識を生き生きと楽しそうに話していた。

 当初は、挑戦者自ら石臼で大豆をひいてきな粉を作る計画だったが、石臼は重すぎて高齢の女性には回せないとわかった。女性らを職員3人と共に引率してきた藤村さんは、見るに見かねて石臼ひきを買って出た。民具倉庫に香ばしいきな粉の香りが漂う中、用意した大豆を無事にひき終え全員で試食。市販のさらさらしたきな粉とは異なり、粗びきで歯ごたえがある一方で高齢者が飲み込んでも食べやすいきな粉が出来上がった。

 きな粉を食べながら、昔の生活の話題に花を咲かせた。きな粉をお湯で溶いてご飯にかけたきな粉ご飯がごちそうだった、大麦を石臼でひいたはったい粉をおやつ代わりにした、といった話題が次々に飛び出していた。

 平内民具倉庫の公開日は毎月第2土曜・日曜。入館無料。問い合わせは屋久島町歴史民俗資料館(屋久島町宮之浦)まで。

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