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屋久島に暮らした詩人・山尾三省の足跡を巡るツアー 没後20年、顕彰の一環で

山尾三省の詩やエッセイに何度も登場する白川山の橋の上で、説明を聞く参加者たち

山尾三省の詩やエッセイに何度も登場する白川山の橋の上で、説明を聞く参加者たち

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 屋久島町の教員を対象に詩人・山尾三省のゆかりの地を巡るツアーが6月6日、開催された。

遠くに水平線を望む山尾三省の墓所は、森の中

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 ツアーを主催したのは、山尾三省の言葉を後世に伝えるべく活動する「山尾三省記念会」。屋久島町の小中高生を対象にした詩のコンクール「オリオン三星賞」のPRを兼ね、山尾三省を広く知ってもらおうと初めて企画した。

 当日は、山尾三省が育てた9人の子どもが通った一湊小学校で記念会の前代表・兵頭昌明さんが、山尾三省を一湊川上流の白川山に招いた経緯や、山尾が移住した当時は廃村となっていた白川山の成り立ちを説明した後、白川山に移動。現会長で白川山に暮らす手塚賢至さんが、三省の書斎「愚角庵」や墓所を案内した。参加した一湊小学校の船迫光一校長は「山尾さんの本で読んだ白川山を実際に訪ねたことで、生前の暮らしぶりに思いをはせることができた」と話す。

 今年は山尾三省の没後20年に当たるが、島外から大々的に人を集めるイベントは開催を見送った。一方で記念会では、インターネットを使ったトークライブやゆかりのある人々による文集の編さんなどの企画を予定している。島内でも山尾三省の詩に触れたことがない世代が増えていることから、今後は記念会が主体となって顕彰に努め、さまざまな取り組みを続けていくという。

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